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船の世界では”ブリッジ”と呼びます(*゜▽゜)ノ

みなさん、こんにちは(*^▽^*)

この番外編を読まれてる皆様、お久しぶりです(゜ー゜;Aアセアセ

弊社船ニューくにさきの一等航海士、ワダです(*^^*)

相変わらずのスローペースですが、今回もよろしくお付き合い下さい(^-^;


さてさて、本当に突然ですが、みなさんは宮崎駿監督が手掛けられた
ジブリのアニメで何が好きですか?

自分は「 天空の城ラピュタ 」が一番好きなんですが、この中で主人公のパズーが
海賊船タイガーモス号に乗ってラピュタを探し、”竜の巣”と呼ばれる低気圧の中にラピュタがある事に気付き

「 ブリッジ!ラピュタはこの中だ! 」

と叫ぶシーンがありますね(゜ー゜)(。_。)ウンウン

この「 ブリッジ 」と言う言葉は「 船橋 」を表すのですが、船の世界で働くようになって友達から

「 何故、船を操縦する部屋を船橋、ブリッジと言うのか? 」

と言う質問をよくされます(^-^;

実際、自分も子供の頃にそう思ってましたし(^-^;

確かに船を操船、操縦する場所なのに「 橋 」と言う漢字が使われてますね
。。。o(゜^ ゜)ウーン


と言う訳で、今回は自分たち船員の仕事場の一つである

「 船橋 」「 ブリッジ 」

の由来について少しお話しようと思います(*^▽^*)


「 船橋(せんきょう)」とは、ズバリ言うと船舶の高所に設けられた
操船指揮所の事です(*゜▽゜)ノ

↓の画像はニューくにさきの船橋周りと内部の様子です(*^^*)






この名前が付いた背景ですが、帆船が主力だった時代の後期になって大型船が登場すると、それまでの舵櫂(だかい、舵の柱に操作する為の棒を挿し込んだ簡単な物)に代わって、人力による操舵装置(ロープがベルトとなって舵と舵輪を繋げた)が開発された事が発端となります。

この操舵装置の舵輪は、構造上、舵(ラダー)の真上にあるのが最適であった事と
帆船は風を見ながら針路を変更する為に、↓のように船尾、または船尾楼に
置かれる事が一般的になりました(*゜▽゜)ノ



画像は日本の大型練習帆船(はんせん)「 日本丸 」の船尾の様子です(*^^*)

普段は船首側にある船橋で当直に入りますが、帆走(はんそう)時は
この様に船尾から風の吹く方向を見て操船します(*゜▽゜)ノ



この舵輪は前後に2基あって4人で回さないといけないくらい大きいんですよオオーw(*゜o゜*)w

10年以上前に実習生として乗りましたが、この舵を動かしてたら腱鞘炎になってしまいました(^-^;

ちなみに、「 楼(ろう) 」とは櫓(やぐら)などの建造物を指し、楼閣(ろうかく)などのような
建物を表す言葉に使われます(*^^*)


…話が脱線しました(゜ー゜;Aアセアセ

その後、蒸気機関が開発されて汽船が主力となると、機械力(油圧など)を用いた
操舵装置も開発され、舵輪と操舵手が船尾付近に配置される必要はなくなり
船の中央近くで船全体を見通せる位置に置かれるようになりました(□。□-) フムフム

また、蒸気機関が開発された当時はペリーが乗っていた「 黒船 」の名前で有名な外輪船が活躍した時期で
船の全周(側舷)を見渡せるように外輪覆い(カバー)の上に見張り台(現在のウィング)を立て
指揮所(船楼)と見張り台を橋でつなぎました。



↑の画像をご覧になるとお分かりになると思いますが、推進力を得る為の外輪が
船体の両舷中央にあり、その上のカバーに見張り台が設置され、その見張り台に
架けられた橋が「 船橋 」の由来となり、「 ブリッジ 」とも呼ばれるようになったわけですね(*^▽^*)

外輪船からスクリュープロペラが使われる船に移行されてからも、特に戦時中は
戦艦が戦闘指揮を取るのに好都合な場所として、ブルワークより少し高い位置で
両舷をつなぐ橋として残され、さらに前述の理由で舵輪やその他の装置を置いて
艦(船)長や士官が操船の指揮を執る場所として選ばれるようになりました(*゜▽゜)ノ

これは明治から昭和にかけて建造された古いタイプの戦艦(横須賀にある戦艦三笠など)を見ると分かると思います(*^^*)

ちなみに、ブルワークとは船首に設けられた構造物の事で、船首甲板に打ち上がる波を
抑える為の壁の事です( ̄。 ̄)ホーーォ。


さて、今回の話はここまでですが、いかがだったでしょうか?

「 船橋 」「 ブリッジ 」の由来、納得していただけたでしょうか?

言葉の語源、由来、歴史を調べるといろいろと興味深い事が分かって面白いですよ(*゜▽゜)ノ

これはみなさんが就かれておられるお仕事にも言えると思います(゜ー゜)(。_。)ウンウン


それでは、またの機会にお会いしましょう( ̄^ ̄ゞ ケイレイ!!
[登録日] 2012/12/08 15:31 | 固定リンク | コメント(4)
  • ▼ コメント
  • なるほど、今のように正面に近くなったのは、蒸気船からなんですか。帆船で現代船のようにブリッチのある船ってみませんから、なるほど・・・と思いました。
    船の形は変わっても言葉って残るんですね。
    客室にも1等、2等とかつての呼び名が今もありますからね。
    船って奥が深いですね。
    投稿者: ポチョムキン |2012/12/15 16:01
  • ポチョムキン様コメントありがとうございます。

    私は陸上スタッフですので、フェリーに関しては、もちろん最低限の知識はございますが、さすがに細かい部分については正直あまり詳しくないんです(^^;)
    フェリー会社に従事するものとして、恥かしくない程度の知識は持ってなければいけませんので、ワダくんをはじめ、船長などには、時間があればいろいろと教えてもらっています。
    毎日が勉強ですね(^^;)

    船には一つ一つの名称にとても興味深い由来がありますので、今後もワダくんには是非そういった部分を中心に、フェリーに関する話題を皆様にご紹介してもらいたいと思っておりますので、今後ともお願いします(^^)v
    投稿者: フェリースタッフ豊田 |2012/12/16 00:07
  • 先日、横浜の帆船日本丸を見学した際、ブリッジと後方甲板の両方に舵があり、不思議に思って検索したところ、
    こちらのページに行き当たり、謎が解けました!
    帆走時は後方甲板、エンジンで進むときはブリッジで操舵するということですね。
    分かりやすい説明、ありがとうございます。

    愛媛から大分へ抜けるルートがあるのは知っていましたが、山口から直接大分へ行けるというのも面白いですね。
    スオーナダフェリー、山口旅行の際はぜひ乗ってみたいと思います。
    投稿者: よい子 |2020/11/29 13:51
  • よい子様コメントありがとうございます。

    私もフェリー会社のスタッフではありますが、ワダ船長のブログで初めて知る事も多く、とても勉強になってます(#^.^#)
    ワダ船長は船に関して大変詳しい方なので、もし疑問や知りたいことがあれば是非遠慮なくご質問下さい。
    きっと喜んで答えてくれると思います(笑)

    弊社は山口県と大分県を結ぶ唯一の航路となっており、船上からはきつね踊りで有名な姫島や回天で有名な大津島などを間近に望むことが出来ますので、もし機会があれば是非一度ご利用下さい(*^^*)

    よい子様のご乗船をスタッフ一同心よりお待ちしております♪
    投稿者: フェリースタッフ豊田 |2020/12/01 21:49
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